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山形富士通(山形県東根市)、富士通研究所(神奈川県川崎市)、(財)神奈川科学技術アカデミー(略称=KAST、神奈川県川崎市)光科学重点研究室益田グループ(グループリーダー=益田秀樹首都大学東京教授)は共同で、次世代のハードディスク記録媒体に向けた陽極酸化アルミナナノホールの一次元配列で、世界初の25nm(ナノメートル=10億分の1m)間隔のナノホール列形成に成功した。これにより、1平方インチあたり1テラ(兆)ビットの記録密度を持つ磁気記録の実現が期待される。ハードディスクに用いられる磁気記録媒体の記録容量が、現行製品の5倍以上に高められる。

なお、陽極酸化とは、金属を陽(プラス)極に通電することで酸化を行わせる処理。アルミニウムの場合、表面に多孔質で電気絶縁性・耐磨耗性の高い酸化被膜ができる。また、アルミナナノホールとは、アルミナ(酸化アルミニウム)膜に生じる、nmサイズの孔のこと。この中に磁性金属を入れたものが、将来のハードディスク記録媒体として期待されている。
今回共同開発した技術は、磁界が磁気記録面に垂直に向くよう磁性体を配置する垂直磁気記録媒体として、テラビット級を実現可能にする基礎研究で、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の革新技術開発研究事業(研究期間:平成16年度〜18年度の3年間)として開発された。
■開発の背景
ハードディスクの記録密度を増やす垂直磁気記録に関する研究開発は、すでに実用化段階にある。今後、より高密度の磁気記録を実現するためには、磁性材料を人工的に規則正しく並べたパターンドメディアと呼ばれる記録媒体が必要となる。
それに適した素材として、アルミニウムを陽極酸化したアルミナでは、nmサイズの無数の細孔(ナノホール)が形成されるため、形成されたナノホールを磁性金属で充填することにより、パターンドメディアの実現を目指した。
■課題
アルミナのナノホールは、自己組織化的に蜂の巣状(六方細密構造)に形成されるため、円周方向に磁気記録するハードディスクには不向きな構造である。それに対して同研究グループは、アルミナナノホールを一次元的に配列させる技術として、アルミニウム表面にライン状に凹凸のパターンを形成し、アルミナナノホールを一次元的に配列することに成功した。しかし、一次元配列の間隔は45nmまでが限界であった。
■開発した技術
アルミナナノホールの一次元配列は、従来、アルミニウム表面にライン状に凹凸のパターンを形成し、凹部(グルーブ)にナノホールを1列に配列している。今回、同研究グループは、陽極酸化条件を最適化することにより、グルーブ内に2列のナノホールを形成し間隔を微細化する技術を開発した。
■効果
今回開発した技術により、現状の電子線描画の限界に近い50nm間隔の凹凸ラインでも、凹部の幅25nmの両側にナノホール列を形成し25nm間隔を実現した。これは、1インチあたり1テラビットの密度に相当する。
■今後
同研究グループは、今後、ナノホールを25nm間隔で円周方向に配列し、軟磁性下地膜形成を含む記録媒体を作成し、1平方インチあたり1テラビットの記録再生を目指す基礎研究を行う。
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