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生き物の体って、いろんな凄い能力を秘めているんだね。渡り鳥が旅をするのもその1つだよ。だって、渡り鳥は、飛行機のチケットを買うお金を持っていないから(?)、自分で目的地まで何千kmも飛んでいかなくてはいけないんだ。渡りの出発日をいつにするか、どちらの方角に飛べばよいのか、カレンダーも地図もコンパス(羅針盤)も時計も何にも持っていないのに、一番よい時期に的確に目的地に向かって飛んでいくんだよ。
しかも、陸地の上なら富士山を目指すとか何か目印になるものがあるかもしれないけど、見渡す限り島影も見えない大海原でも、渡り鳥は方角を間違えずに目的地に向かって飛んで行くんだ。
鳥達が方角の基準にしているのは、規則正しく軌道上を移動する太陽なんだ。
でも、太陽の軌道は、規則正しく変化(?)していて、例えば東京だと3月の春分の日には朝6時頃に真東の方角に日の出が見られるよね。これより前の時期だと、日の出は6時より遅くて方角は少し南に寄っているし、これより後の時期だと日の出はだんだん早くなり、6月の夏至の時には4時半頃で、日の出の方角は東から30度も北寄りの北東方向になっているから、飛び立つ時期を間違えると方角を誤ってしまうよね。
それに、太陽は、1時間に15度ずつ移動して、真昼は南に位置するから、もし北に向かっている渡り鳥なら、春分の頃に日の出を右側に見て飛び立ち、1時間に15度ずつ方向を変えながら、お昼には太陽を背にして飛び、夕方は太陽を左に見て飛んでいないといけないよね。計算機を使ったら凄く面倒な計算を、渡り鳥は体内時計を基準にしてなんなくこなしているんだよ。
(参考資料=講談社発行・粂和彦著・「時間の分子生物学」) |